今回は、建設業許可に関する「主任技術者」と「専任技術者」の兼任について解説します。
建設業許可を持つ建設業者は、請負金額の大小や元請・下請にかかわらず、工事現場にその工事施工の技術的な指導・管理をする技術者を設置しなければなりません。
この技術者のことを「主任技術者」といいます。
主任技術者は、施工計画の作成や現場の技術者への指導・監督を行い、工事の適正な施工を確保します。
また、適切な請負契約の締結・履行を確保するため、「専任技術者」を営業所に常勤させる必要があります。
専任技術者の存在は、建設業許可を取得するための要件にもなります。
ところで、この主任技術者と専任技術者になるための要件は共通しています。
現場に必ず配置する主任技術者も、専任技術者と同じく
「建設業に関する国家資格」
「10年の実務経験」
「学歴+実務経験(3年または5年)」の三つのうちいずれかを持っている必要があります。
では、専任技術者を現場の主任技術者として、現場に配置することはできるのでしょうか。
これについては、基本的にはできないと考えてください。
専任技術者の本来の仕事は、営業所に常駐して見積、入札、請負契約を適切に締結・履行することです。
注文者等ともしっかり連絡をとれるようにしなければなりません。
そのため、専任技術者は基本的に営業所を離れず常駐することになります。
ただし、以下の条件すべてをクリアした場合に限り、専任技術者も主任技術者として現場に行くことができます。
①現場への専任が必要ない工事であること
⇒1件の請負代金が税込4,000万円未満(建築一式工事の場合は税込8,000万円未満)
②専任技術者の所属する営業所で契約締結した工事であること
③専任技術者の所属する営業所に近接した工事現場であること
⇒営業所から日帰りできる範囲が目安。詳細は要確認。
④所属する営業所と常時連絡が取れる状態であること
最近は技術者不足で困っている会社様も多く、せっかく大きな金額の仕事の予定があるのに、配置できる技術者が足りないというご相談も受けます。
専任技術者と経営管理責任者は兼任することができるので、専任技術者を別の方に変えることで、配置技術者として動ける人間を増やすことも可能です。
あさひ法務では許可の取得だけでなく、許可後の適正な経営の発展もサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。